転がる石のような動けない木

■こないだの日記を更新してからも、『空気人形』がなんでダメだったかをずっと考えていてパンクしそう。誰かすでに観た人とちゃんと語りあって清算したい。


■ちょっとした仕事の連続でものすごい疲れを覚えるというのは、年齢のせいでなく実はそれだけ心が疲れているんだよ、と先輩から言われる。そうかもな。そうじゃないかもな。

■利享と月島で飲む。いやあ、それにしても月島で利享が選ぶ店はかなりのレベルでおいしい。値段も驚くぐらい安いし。


■利享はどうだったか知らないが、喋りながらいろんな気持ちの整理がついた。


■焼けた家の敷地にあったニセアカシアの木から白アリが発生しているそうで、お隣の方から「この機会に切らないんですか」と電話で尋ねられる。あの木は父親が誕生した頃、祖父が植えたものらしく、父にとっては相当な思い入れがあるためどうにか残したい。


■白アリの専門業者に聞くと、白アリというものは通常‘死んだ木’にしか群集しないらしく、だとすればあの木は‘死んでいる’のか。


■僕ら家族があの土地から離れることはどうにもこうにも決まっているが、あの木を残したいという気持ちはあり、だけど離れた後に木がぶっ倒れたりしたら大問題だ。火事を起こして出て行って、大木までぶっ倒したなんてことになったら、それはもうなんていうか、取り戻しようのない。


■木の生態については白アリ業者の範疇ではないらしく、植木屋さんに相談するよう薦められた。ホームページの印象で立川の植木屋さんに電話してみたが大当たり。植木屋さんは職人気質の荒い人が多いというネット上の様々な言説にちょっとヒルんだけど、本当に奥さんが不在のご主人に代わって丁寧に対応してくれ、今日やっとご主人とも話せたけど、う〜ん、心洗われるような優しさをもって、木のことを、うちの家族のことを慮ってくれた。


■だが木の特徴を説明していくと、どうやら性質からしてニセアカシヤではないらしい。そしておよそのアカシヤ/ニセアカシヤが60年近くも生きることはないらしい。だとしたらあの巨木はなんなのか?
それも含めて、4月3日、立川の植木屋さんが来てくれるそうでとても楽しみ。


■いよいよ明後日、火事が遭って以降、ずっと精神的な支えとして楽しみにしていたボブ・ディランZEPP TOKYO。目まぐるしいドタバタに見舞われ、仕事に戻ってもあらゆる不安が迫りくるばかりの2010年3月、ボブ・ディランを観るっていうのはどんな感じだい?



How does it feel?
How does it feel?
To be without a home
Like a complete unknown
Like a rolling stone??

どんな気分だい?
どんな気分だい?
家がなくなって
全く知られていない人のように
転がる石ころのようにいるのは