慢性バンドホリック

■以前この日記にもアップしたが母校である小学校にはアヒルがいる。
ちょうどアヒル小屋は通りに面しており、月に数回そのアヒルを一瞥していた。だが先週末そこを通ったらアヒル小屋には訃報が貼られていて、なんと亡くなったアヒルはガーコだったのだ。

■ガーコとはつまり僕が小学生だった頃からいたアヒルだ。記憶が不確かだが、少なくとも平成元年あたりから飼われていたのではないか。訃報には「15年以上、みんなに愛された」というアイマイな記載しかなかったがそれも当然で、僕がいた頃に在籍していた教員は誰もいないし、推測で「15年以上」としか書けなかったのだろう。

■生き物係(バンドじゃないよ)は1クラスに2人。僕がいた頃は1学年2クラスだったから、2人×2クラス×6学年×20年と計算をしてみれば、おそらくガーコはのべ500人ほどの児童に直接世話をされていたことになる。ガーコを認識している児童や元児童はその20倍ほどいる。近所ですれ違う小学生のほとんどが、そして僕がガーコを知っている。たった一匹のアヒルがだ。


■そこを通っているここ何年かは、まさかそのアヒルがガーコだなんておもいもよらなかった。


■僕の在学中、ガーコの糞がいつもよりあまりに巨大だったので問題になったことがある。前の晩、うちのじいちゃんから「通りかかった際、あまりにガーコが不憫だったから持っていたフランスパンを突っ込んで全部食わせた」という話を聞いていた僕は担任の話を聞きながら絶望的な冷や汗をかいた。
じいちゃんよ、その時不憫だったかもしれないが、ガーコはたっぷりこないだまで生きました。

ツイッターで利享のつぶやきを見ないと感じていたのだが、やはり修羅場のよう。無理言ってハウリングムーンで飲んだ。そのまま泊まらせてもらった。


■年々、誰かに「がんばれ」と言えなくなっていく。自分に「大丈夫」とも言えなくなっていく。


■あくまで偶然だが、ガーコの訃報を見た日、友人と激安北京ダックを食べた。

■北京ダックをたらふく食べた後映画館へ向かうが、マイケルもアンヴィルも時間と座席がよろしくなくって、結局見たのはサム・ライミ新作『スペル』。


快作!怪作!!ウジ虫のゲロ・目玉にフォークぶっ刺しなど、悪趣味がヒートアップにつれて、失笑〜爆笑がこぼれる劇場の雰囲気がよかった。


■『スペル』観終わって興奮してプログラムを購入。というのも町山智浩さんの文章が載っていないかと期待したのだ。そしたら案の定載っていてよかったのだけれど、今週のSPA!にプログラムよりも重厚な内容の町山智浩によるサム・ライミインタビューとレビューが書かれていた。なんじゃそらだよ。プログラム600円、SPA!380円。なんじゃそらだよ。


■いろいろと都内取材、次の取材の準備も進めつつ。


撮影にうかがった新宿のバーにあったKINGの肖像。


■日曜日夜、無理繰り詰め込み三軒茶屋ノアで久々に音を出す。
八さん・セリ・ヨッシー、そして別室で作業していた黒ちゃんが途中から参加してくれた。
レコーダーでデモを二曲録る。粗はたくさんあるし決していい出来とはいえないが、それでも何度でも聞いてしまう。


■バンドをやれば頭痛が止まるのだ。胸が騒ぐのだ。どうやらこの依存は昇華されないものらしい。


■バンド後、ヨッシーあきる野まで送り、そのまま泊めてもらう。


ポンコツガレージ初上陸。これまで観た友人の家の中でもっとも鮮烈だった。


中央道を八王子で降りて、ヨッシーの家までの運転中、ある場所で唐突に‘けっこうヤバいもの’がフロントガラス越しに見えたので恐くなってヨッシーに言ったら「そこに廃病院があるから間違いない、俺は見えないけど」とのこと。
俺だって霊感なんてねーよ!


■なぜか‘霊感’で思い出したが、山口に嫁いだ発狂美人Aに双子が産まれた。やったー!!!


■間もなく福知山へ出発。一週間ほどのロケ。友人や食事や文化の滋養がいい仕事につながればいい。いちいちつまづいては(当たり前だが比ゆ的に)死にそうになるけどなんとか今年も生きてきた。魂を取り返すのだ。


■自分の感受性ぐらい自分で守りたいんだけどよお、バッキャロー。


GA−KO(198?−2009)