この目のフィルムに焼こう

■選挙の取材をしながら、いろいろ考える。
立候補するという人格が異常なのか、出馬という行動に出る人間は意外に平凡な人格なのか、それとも‘人のために何かする’という感情の発露が政治家になるということにしか見出せないのか。だとしたらそれはそれで異常だともおもう。


■結局、誰かに出会いたくて仕事をしているのだ。ということを毎日改めて実感。新しい登場人物が増えていかない日々は、これまでのことを考えてもやっぱり退屈だった。今は退屈が怖い。

<(…)あゝ、しかし、こゝろ怯れ、虚しさのためにむかしの賢人、見者たちを真似て、/人生を、最後の用意のために味気なく費やすのは馬鹿気た話だ!/むしろ、この大腐爛のなかを、こゝろの住家として、虫どもの友となり、愚かな今日を、昨日のように、また明日も、よろこび迎へ、かなしみ送りたいものだ。(…)>金子光晴『大腐爛頌』

■今の職業を選んだことに大きな後悔はない。ただこれでいいのか、という疑念だけが日々、澱のように溜まっていく。褒められても貶されても、それは溜まっていく。


■Sディレクターと取材で三浦市へ。
Sさんとのロケなのだから、取材先ではほとんどADのような仕事。あーADって楽だあ。

■あまりにもアイドリングタイムが多くて、おのずと今後の相談みたいなことも言ってしまう。


■局員は悩んでいない。テレビマンユニオンの奴は悩んでいない。そんなわけがない。相当なアパシーでない限り、全ての働く人間は何かに悶々としているだろう。


■車中で聞くようにと気を遣ってSさんはいろいろとCDを持ってきてくれたが、ケースの中身がことごとく息子さんによってチグハグにされており、結局、三浦海岸のBGMとしてもっとも相応しかったのは、レッチリのケースに入っていたポニョの歌だった。

取材などの合間になんとかセリ宅でバンド仲間などと花火を観戦。スタジオで揃うことが稀なのに、なぜか花火だと全員しっかり揃う。
最低年齢28とかにもかかわらず、未だみんな‘はしゃぎすぎてる夏の子供さ’。

HACHIさんの料理が異常に旨かった。