下剋上の夜

■13日、ライブの翌日は朝から調子が悪く(いつものことだ)それでも仕上げなきゃいけない仕事があったので朝から出勤。


■マンションの駐輪場に自転車を置いたつもりが品川駅の駐輪場に置いたまんまだった。こんな健忘が月に何度か。ここらへんを丁寧にして生活しないと心や脳に悪い。特に睡眠不足や仕事上の焦燥感に駆られている時など、負荷が倍圧でのしかかってくる。

■14日朝、試写に向かう途中、AERAの中づり表紙写真を見て、どうにか今日は仕事を終わらせて『アウトレイジ』を観に行くことを決意する。今日が日本初戦であると人から知らされるより『アウトレイジ』観戦の決意を抱くほうが早かった。


■‘深夜も稼働のバルトなんかどう?’(宇多丸)の通り、新宿・バルト9は“ちょうどいい”。最近、劇場でメジャー映画を見るとなるとバルト9ばっかり。チケット購入後、鑑賞前に生2杯。鑑賞しながら1杯。バルトのビールはあまり旨過ぎないから飲み過ぎない。Say ちょうどいい〜(ちょうどいい〜)。(※バルト9では『シネマハスラー』本はもちろんなぜか『マブ論』も売られている。)


■「なんとなく『BROTHER』ってダメだよね」という街場で繰り広げられる無責任な武談議に武本人が無自覚なわけがなかった。『BROTHER』の弱点(特にビートたけしに訪れる顛末と物語の流れ)が、『アウトレイジ』では完全に払拭されている。ファッキンジャップを、罵声と悪趣味にまみれたファッキンジャップのまま血の色を添えて魅せる。壮大なスケールではあるがどこまでもVシネマ的。特にタイトル画面など。


■兎に角たけし以上の年齢のキャストの表情がたまらない!石橋蓮司、北村総一郎、すごくいい。石橋蓮司の顔なんて永遠に観ていたいとすらおもった。タランティーノにも北野武にも惨忍に殺された役者なんて世界中探しても国村隼だけだ。白眉は椎名桔平が殺されるシーンの美しさ。夜明け前の映像の質感はちょっと鳥肌もの。青の武映画キターーーーーーーーー!!!!!昂奮しすぎて、桔平殺されると同時に観てた俺も死ぬ。ザ・ベストブルー・オブ・キタノブルー


中野英雄もよかったしジョビジョバの坂田さんが出ていたのも嬉しかったなあ。意気込みとか気合いって演技にとってマイナスに働くことも多いけど、この映画の場合ぜんぜんいい効果。僕が言えることじゃないが板谷由夏、顔デカイよなあ。


■ただし前評判で騒ぎ立てるほどエグくない。全然見れちゃう。そんで最大の弱点は、ラストシーンのカタルシスが・・・・・・う〜ん、小粒・・・・・・(/_;)。にしても満足!!


■映画終了時刻がほぼキックオフの時間。新宿通り、元旦のように人がいない。


■アルタ前の喫煙所ですげえ好戦的な目つきで、でもアンニュイにiPod聞きながらタバコを吸う女の子がいた。携帯もいじらず。
王道を歩けない生きづらい女の子。すごくいい。

■家に帰れば前半が終わる頃。テレビ凝視の母の背中が揺れている。
「どうしたの?」
「本田が・・・決めた」
―――これは正に下剋上の夜。

■日本勝って朝が来て、一日働いていまDVDで観終わった『あんにょん由美香』、してやられた。人間て豊か。サイコー。号泣。

◇佐久間‘うめかよ’雄一郎くんの尽力により、前の日記一番オシリにライブの映像アップデートしてます。ヘッドホンとかだと音がいーYO\(゜ロ\)(/ロ゜)/